アローハ☆
シーナ・アイエンガーさん著の「選択の科学」の英語原題は、
The Science of Choosingではなく、”The Art of Choosing” だということをご存知ですか?
選択の科学 |
|
![]() |
シーナ・アイエンガー 櫻井 祐子
文藝春秋 2010-11-12 |
本書では7章に渡り、実験、検証や事例を用いて「選択」を様々な側面から解析している。
なので、日本語訳のとおり、「選択の科学」というほうがしっくり来るのですが、
彼女は、”The Art of Choosing”というタイトルにした。
彼女が「それでも選択は本質的に芸術であることは変わりない」と言っているのは、最終章の一行にしかすぎず、
思わず見落としてしまいそうなくらいだ。
でも、それが「選択」について、様々な研究を重ねた彼女の答えなのだ。
この本に、明日からすぐ使える何か選択の方程式が解き明かされていると思っている方は
読み終わってきっともんもんとするだろう。
あなたが今悩んでいる選択への直接の答えはないからだ。
実際、私も読んだ後、”結局、じゃあどうすればいいの?”と最初は思ったし。
自分が行なおうとしている選択に正解はない。
死んだ後、”さあ、私の人生を振り返ってみましょう!”と
人生レビューができない限りわからない。
そんなレビューができたってもう死んでいるわけだから、
あまり意味があるとは思えない。
それなら、できることは一つ。
あれこれ考えながら、悩みながら、その時に最善と思われる「選択」を重ねるしかないのだ。
そしてその「選択」を生きている間に自分なりに検証することだ。
人生の大きな大きな選択の重みにつぶされそうなとき、答えが欲しいとき、
「選択は芸術よ」と言われた日にはかなり落ち込んじゃいますが、
振りかえれば、選択を重ねることは、芸術なまでに美しいのかも知れない。
アローハ♡
