バレンタインデーにバラとクマのバルーンを贈られた。
花瓶いっぱいのピンクのバラ。
そしてそれについてぷかぷか浮いてる大きなクマさんのバルーン。
起きた時に、部屋の鍵を貸しといて欲しいと言われたので、なんかあるな!と思っていたけど、仕事終わって部屋に帰ってびっくり。
こちらでは、バレンタインは男性から女性へ贈りものをするのがあたりまえだけど、私のこれまでの人生の中の習慣にないから、あんまり気にも留めてなかったから、余計うれしかった。
バルーンなんて、もらったのは小学生でお祭りの時に買ってもらって以来かしら。
わたくしもう40を越えていますので、バルーンなんてちょっとそんな歳じゃないわと一瞬面食らっちゃった。ちょっと心がこそばゆかった。
カードには、
”バレンタインは得意じゃないんだ。こんなものでごめんね。
でも I love you so much”
と書いてあった。
夜はディナーに行って、いつもの場所にドライブに行った。
ご飯を食べているときや運転しているとき、彼の横顔をまじまじと見た。
私は結婚したいのに、結婚の可能性のないこんな年下の彼氏にイライラさせられてなにやってるんだろう!と、思うことが多かった最近。
バレンタインは不器用ながら必死に”男”をしようとしてる彼の姿に、まだあどけない横顔に、そしてかわいすぎるクマさんのバルーンに、胸がむずがゆいよろこびに満たされた。
現実的なことを考えれば、彼とは遠くないいつか別れざるをえないでしょう。
それまで、年齢だとか将来だとかあんまり色々と考えるのはよそう。
バレンタインの日、私はいつものように一人孤独に過ごさずにすみ、今年は彼がいてくれてる。
しあわせなことだ。
先を読もうとするのはやめやめ。
