愛を伝える電話

愛を伝える電話と言っても、

「愛してるよ」という電話がかかってきたのではありません。

残念ながら。

大好きな人を諦めようとしていました。
彼は私が彼に恋をしていることは知りません。
お互い仲間のような存在です。

こっちを向いて向いて!と必死にこの何ヶ月もがんばってしまっていたけど、
私の気持ちが空回りして、いつもの悪い癖が出始めたことと、
諸々の微妙だけど確実にNOを感じられる彼の反応から、
これは、しばらく距離をおかないといけないなと思ったのです。

それには、しばらくメッセージのやりとりをしないことと、
会う機会をなくすのが一番だと思いました。

会うとどうしても心が動いてしまうから。

先々週、出張に行くと言っていたけど、どこに何日いくのかとかも
敢えて聞きませんでした。
離れる良い機会だと思ったのです。

でも、我慢できなくて、他愛ないテクストをひとつ打ってしまった。
でも、ずっと返信がなかった。

きっと出張に行ってしまったんでしょう。

でも、出張に行こうがどうしようが、
簡単な返信はしようと思えばできるものです。
それに普段から全部のテクストに返事が来る訳じゃなかったことも
改めて思い出して、
”返事がないというのが答えだ”と思っていました。

さあ、新たに出会うわよ!と前を向こうとしながら、
やっぱり思うのは彼のことばかりで、
もう帰って来てるころなんだろうなあと思っていた矢先、
彼から電話が来ました。

「ごめん。返信できなくて。とある外国に行ってたから電話使えなかったんだ」

と。

最初は、久しぶりに声を聞いて泣きそうになってしまった。
そして、繰り返し電話が使えなかったと謝るから、
なんでそんなに謝るのか私にはよくわからなかった。
返信っていっても、特に返信が必要な重要な内容を打ったわけじゃなかったし。

しばらくするうちに、なんだか恥ずかしくなってしまった。

見透かされてるな、って思って。

だって、私は、「なんで返信くれないの!!??」と言ったわけじゃない。
一言もそんなことは言ってない。
テクストも、龍のように見える雲の写真を送っただけだ。
“I saw a dragon.”と。
その雲の写真のテクストに返信ができなかったと謝られるのは
なんだか腑に落ちなくて、逆に戸惑ってしまった。

10分ほど出張先での話を聞いて、またね、と電話を切った。

彼は、私がさびしくて拗ねてしまってるのをきっと感じ取っていたんだろう。
彼はスピリチュアルレーダーみたいな人だ。
私の心は静かに一瞬にして彼の愛で身体の隅々まで満たされた。

彼はいつも私の魂を抱きしめてくれる。
キスやセックスをしなくても、愛してると言われなくても、
彼とのつながりは簡単に切れるもんじゃないなって、
その電話でなぜかすごくわかって、
何を一人で彼を疑って不安になってたんだろうと思った。

不安になることはない。
私は”ある意味”彼からとても愛されている。
ある意味ね。

無理に彼をこっちに向かせなくても、
お互いに必要であれば、時間はかかっても
きっといつか結ばれるだろう。

でも、そんなことは誰にもわからないので、
私はまた新たに私をパートナーとして愛してくれる人を求めて
旅に出よう。

それに、事実上結ばれなくても、
あなたの生き方が好き、と心から思える人と、
もう心は結ばれているのだから、
それ以上彼との関係に望むものはないのだ。

 

 

 

 

 

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