私の中に描く
私だけの美しい世界があって、
私は人からそれをとやかく言われたくないので、
ずっと胸の奥の奥に秘めてきました。
でも、その秘密の場所を教えてもいないのに、
未来少年コナンのようなパズーのような、
でもナウシカとアシタカのような憂いと情熱を秘めた美しい瞳をした人が
ひょいっと突然、裸足でづかづか入ってきた。
ビーチからの帰りかしら?
髪とTシャツが濡れてるわ。
最初は隠れていたんだけど、
”愛さーん、どこですか〜〜?愛さーーん!!”
と叫んで揺らすので、出て行かざるを得ず、
仕方なしに、私の秘密の場所をくまなく案内した。
最初は、とても恥ずかしかった。
誰にも見せた事がないんだもの。
でも、入って来たなり、彼は全てを理解し承認し賞讃してくれた。
まだ、どうしていいのかわからない、もやもやっとした形にならないものさえ、
すばらしいと言ってくれた。
“もっと自分を信じて。
こんなに素晴らしいものを持ってるじゃない。
僕は愛を信じてるよ。”
って、本当の目をして言うから、
なんか信じざるを得なくなってきちゃった。
彼にはずっとステイして、ずっと一緒に語っていたいけれど、
そうはいかないみたい。
さあ、私は、これからこの世界を外に出す作業をしていかなければ。
一人でも自分を心底信頼してくれる人がいるのだから、
恐れることなんかないんだわ。
私は、私が思い描いた通りに生きるわ。
