あの頃はよかった、と、よく思うタイプですか?
私は、あの頃の方が良かったと思ったりすることがあまりありません。
ほとんどないですかね。
時々、いろいろと肉体的にほころびが出てくるのを目の当たりにして、
失ってしまった若さに愕然とすることはあるし、
いつの時も女の子でいたいのに、
オヤジ化してたくましくなっていく自分がちょっと切なかったり、
感情だとか感覚だとかを抑えて、
それじゃあ生活できないとかいう考えが先にくることに虚しくなったりするけれど、
私は今の自分が好きです。
何の影響からかわからないけど、
私の中で、”便利な世の中はいつか終わりが来る”という根拠のない強い考え?があって、
あの”風の谷のナウシカ”的な世の中がいつかくるというか、
そういう時代が来たときのために私は備えておかなくてはいけない。
だから、必要なのは危険を察知する原始的な感覚だったり、
身一つで生きて行ける能力だ、という、漠然とでも確かな考えが実はあるのです。
でも、火を起こすとか、食べれる草を見分けられるとか、そこまで原始的なものは
今は欲しくなくて、精神的なものです。
物がなくても生きて行けるという確信が欲しかったんです。
だから、私はフラに出会えてうれしかった。
電気がなくなっても、何にも物がなくなっても、私は踊ることができる。
イプヘケがなくても手を叩けばいい。
打楽器はいずれ作れるし、
音楽をかけるプレイヤーがなければ、自分たちで歌えばいい。
私は、世の中から便利なものが消え失せても、
失わない大切なものを手に入れたので、怖くないのです。
若さは誰もが失うものです。物はいつかなくなる。
でも、私が大切にしているフラはずっと私とともにある。
それを分かることができた今の私が好きなんです。
