そこにあること

「私はまだ十六だし、世の中のことをあまりよくは知らないけれど、でもこれだけは確信を持って断言できるわよ。
もし私がペシミスティックだとしたら、ペシミスティックじゃない世の中の大人はみんな馬鹿よ

という台詞を、村上春樹の小説「ねじまき鳥クロニクル」の中で、
笠原メイという少女が語ります。

私はその台詞が好きで、ずっと、まさにそうだと思っていました。
ペシミスティックじゃない人って、物事をちゃんと見たり感じたりしていなんじゃないかと。。

でも、最近はその台詞には共感しません。

私は悲観的に物事をとらえがちな性格です。
前向きに生きていても、現実は、あまりにもつらいことが多すぎたし、
見たくない現実を嫌というほど、つきつけられる毎日だし、
この何年も、自分の思いがダイレクトに叶ったことはないし、
これが欲しい!と思って、それが手に入ったことはありません。
大切な人はみんな去っていってしまったし。

でも、何年かぶりに、ピュアな感情に包まれています。
大切なものがクリアになってきたんだと思うし、
今はその大切なものを手中にすることじゃなく、
大切なものがあるという事実がうれしいのです。

無闇やたらに、明るくて前向きというのとも違って、
ペシミスティックな感情を内包しつつ、
でも、前を向いて歩いていく。。
時に目線を下に落とすことはあっても、基本は常に前!
目線を前に据えれば、後は体も心もついていく。
というのが、アロハニアン的スタイルなんだと思います。

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