コンプレックスの力

Photo by Kenji Kuroshima

NHKの「プロフェッショナル、仕事の流儀」で、プリマの吉田都さんの引退までの
3ヶ月を追った番組を見ました。

吉田都さんは、世界三大バレエの一つ、イギリスのロイヤルバレエ団のプリンシパルを
44歳になる今まで長年つとめられてきました。
ほとんどのバレエダンサーが20代というなか。。

彼女は、バレエ留学をして、相当なコンプレックスを自分に持ったそうです。
手足の長い顔立ちのはっきりとした人達の中、たった一人の東洋人。
鏡を見ることもいやになったそう。

でも、彼女は努力をした。誰にも負けない技術力を身につけた。
そして技術だけでなく、もっと美しいおどりを、もっと理想のおどりをと、
演技力を磨くため、トップダンサーの表情やしぐさを観察しつづけたそう。

同年代のダンサーが30代になってどんどんやめていくなか、
吉田さんは踊りをやめなかったのは、
劣ってるからこそ上をめざしたい、という気持ちがあったからだそうです。

私は、正直フラを始めてから結構コンプレックスが強くなりました。
周りの美人で手足の長いきれいなフラシスと、
鳥の踊りをしても、ぶっさいくで飛べないペンギンにしか見えない私では、
どうにも、ぱっと見のきれいさが違いすぎて、愕然とするのです。

でも!!フラはバレエとは違って、本来はスタイルや顔の良し悪しは関係なく、
背が小さくても、たっぷりとしていても、手足が短くても、本当は関係なくて、
ハッピーなアロハな心で踊り、アロハを伝えるものです。
自分のスタイルとかを気にしてる私は、本来のフラを理解していないのだとも思います。
まだまだですね~。

でも!ただ心だけでは、笑顔だけでは、伝えられるものも伝わりません。
ただ単に楽しく踊っていればいいものでもないです。
磨きあげられた技術があってこそ、心で踊ることができるんだと思います。

私はフラで誰かよりうまくなりたいとか、そいう気持ちは毛頭ありません。
自分が憧れる先生のように踊りたい
今は、ただそれだけ。

外見にコンプレックスだらけの私は、あの人は手足が長いから、かわいいから、
と言い訳ばかりを作り出していました。
その前に、努力が圧倒的に足りない。
まずは技術を。何をおいてもベーシックステップの精度をもっと上げなくては。
そして、この私が持ってるもので、いかに魅せるか
いかに先生の踊りに近づくか、というポイントにおいて、
めちゃくちゃ努力の余地がある私は、ある意味ラッキーなのかもしれない。

その分、長くフラと付き合うことになりそうだから。。

まだ足りぬ 踊り踊りて あの世まで
(尾上菊五郎 辞世の句)

ですね。。

フラは、何歳までも踊れますしね!

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